有酸素運動と糖尿病の筋トレ

糖尿病治療における運動療法で、有酸素運動を先に行うか筋トレを先に行うか十分確認されていなかったが、研究の結果としてレジスタンス運動(筋トレ)を先に行ったほうが良い事が報告され、ダイエットにも筋トレを先に行う方法が有効です。

有酸素運動と筋トレとはどちらが先が効果的か

筋トレと有酸素運動

糖尿病治療において、食事療法と運動療法が双璧をなす大切な治療法であることは間違いない。

その運動療法においては、有酸素運動とレジスタンス運動(筋トレ)が相乗的に効果を発揮することが知られていたが、先に有酸素運動をする場合と、先に筋トレをする場合とで効果に差異があるかどうかは十分には知られていなかった。

基礎代謝を上げる筋肉トレーニング(筋トレ)とエネルギーを燃焼する有酸素運動のどちらから先にやった方が効果的か、ご存じでしょうか。

この順番は低血糖などの血糖コントロールに影響するため、特に糖尿病患者にとって重要になります。

有酸素運動と筋トレの順番を変えた場合の、運動中およびその後の血糖値の変化を検証した研究が、米医学誌「Diabetes Care」(2012; 35: 669-675)に報告され、やはり先に筋トレを実施しておいた方が低血糖予防に良いことが示された。

運動中の血糖値については、運動の順番にかかわらず、筋トレ中にはほとんど低下はなく、有酸素運動で低下することが分かった。

一方で、有酸素運動先行に比べ、筋トレ先行の方が、有酸素運動中の低下が軽度だった。また、運動終了後の回復期60分間における血糖値は、有酸素運動先行の方が高く推移していた。

運動終了後の皮下間質液中の血糖値の変動をCGMで見ると、有酸素運動先行の方が、運動終了後4~5時間(240~300分)までは高く、運動終了後9時間(540分)までは低く、その後、明け方にかけて再び高くなっていることが示されており、夜間にアップダウンが認められた。

これに対して筋トレ先行では、徐々に血糖値が低下していくという一貫した傾向を示すのみだった。

有酸素運動を実施すると血糖低下作用がもたらされることが分かる。

しかし、有酸素運動先行の方が、筋トレ先行で有酸素運動を後で実施したときよりも血糖の下降度が大きい。

実施している有酸素運動のメニューや強度は同じであり、使用しているエネルギー量は同じはずだ。よって、血糖値の下降度の違いは、筋トレを先行させたことで、エネルギー基質(エネルギー源)が糖質から脂質にシフトしていることに由来すると想像される。

筋トレによりエネルギー基質がグルコースから遊離脂肪酸優位にシフトするというエネルギー代謝の変化を、有酸素運動の前に起こすか、後に起こすかで、血糖コントロールにかなり影響することを示している。

結論として、「痩せたいなら筋トレを先にやりなさい!」さらに、「低血糖予防のためにも筋トレを先にやりなさい!」

出典:あなたの健康百科 by メディカルトリビューン